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Z世代×鹿児島堀口製茶×農林水産省意見交換会の様子を公開!


はじめに

ニッポンフードシフトの推進パートナーである鹿児島県堀口製茶/和香園様の提案により、2023年2月27日(月)に農林水産省で、Z世代と鹿児島堀口製茶/和香園と省内職員との意見交換会が開催されました!

この意見交換会は11/12(土)、13(日)のニッポンフードシフトフェス九州のトークセッション「Culture Z Food in九州」における、鹿児島堀口製茶/和香園の代表取締役社長堀口大輔氏とZ世代の出会いがきっかけです。
「Culture Z Food in 九州」では、Z世代の若者がニッポンフードシフトの推進パートナー企業を訪問し、九州の食の魅力とその背景にある農業の課題を学んだ上で、課題解決のためのアイデアをイベントで発表したのですが、このZ世代の訪問を受け入れた堀口社長が、彼らの熱意に心動かされたことがきっかけで今回の農水省職員との意見交換会が実現しました。

トークセッションの様子

若い世代とのつながりを目指して

堀口社長は、意見交換会の目的を以下のとおり説明しました。
「僕は今年、40歳ですが、僕らが考えていることが、これから先も通じるかはわかりません。考えも凝り固まってくると思います。今の若い人たちと国の方や中小企業の方との繋がりがどれだけできるか、ニッポンフードシフトを通して、食と農業、農林水産省の取組に興味のある若い世代が、これから先も関われる場が大事だと考えています。」

意見交換会の目的を説明する堀口社長

意見交換会の冒頭には、農林水産省農産局果樹・茶グループの仙波グループ長より開会の挨拶がありました。
「お茶の消費量は減少傾向で推移しているが、お茶はとても魅力があるものです。これからどんどんお茶を飲んでいただける可能性があるZ世代の意見を聞くことは、大変参考になると考えています。ぜひ、お考えなどを教えてもらって、自由に意見交換できたら嬉しいです。お茶の未来のために、今日はよろしくお願いします。」

仙波グループ長による開会挨拶の様子

Z世代と農水省職員の意見交換!

参加したZ世代は「Culture Z Food in九州」にも参加した4名で、おにぎり・弁当の販売をしている学生、有機農業を専攻する学生、レストランの料理人兼オーナーの学生、大学卒業後に福岡県八女市の矢部地区でお茶の栽培をしている方など、多種多様な取組をしています。さらに彼らはSNS等を駆使して、生産者と消費者を近づける取り組み、若手農業者同士のコミュニティ形成や、新規就農者確保に向けた情報発信に取り組むなど、日頃より、日本の食と農の未来について考え、活動しています。

Z世代による発表の様子

日頃からこうした取組を行っている彼らから「Z世代が考える新たなお茶の楽しみ方」としてビジネスや魅力発信に関するアイデアの提案がなされ、農林水産省職員と質疑応答が行われました。

例えば、職員から、SNSを活用した発信について取り組んでいるところですが、若い皆様にはどんな媒体が響くのか、という職員からの質問に対しては、
「Z世代の中でも、年齢が少し違うだけで、SNSに求める機能が変わると思っています。例えば、インスタは、初対面の人のコミュニケーションツール、また、長時間見るものではなく、何度も見てしまうような特徴があります。」

一方、農水省の情報発信の1つであるBUZZ MAFFは注目されているようであり、
「農林水産省のお役所の人がこんなことをやっているんだというギャップがあって面白いです。」
という発言がありました。

BUZZ MAFFでは、お茶の魅力の発信もしており、今度は職員から、
「Z世代にとってのお茶の魅力は何でしょうか。」と問いかけをすると、

「美味しさだけでなく、人と一緒に時間を共有しコミュニケーションのツールとしてお茶は重要であると思います。」
「私は、福岡の天神でお茶会を実施予定だが、Z世代が主体となった茶摘み体験などのきっかけ作りが大切だと考えています。」
「お茶に限った話ではないが、ただ面白いだけでなく知識が入ってくることが重要であり、バズる要因になるのではないでしょうか。」
などの意見が述べられました。

続いて堀口社長から鹿児島堀口製茶/和香園の取組のご紹介いただきました。

その後、Z世代の皆様から、農林水産省や食と農に関して率直な疑問が示され、農林水産省職員と熱いやりとりを行う場面もありました。

Z世代と農水職員の意見交換の様子

おにぎり・弁当の販売をしている学生は、実家が米農家ということもあり、米の消費が減少している現状に疑問を持っていました。
その疑問に対しては、人口減少などが背景にある中、需要に応じた生産として米の輸出や米粉への利用の拡大が大切であること、
また、それに対する支援をしている旨、丁寧に回答をしました。

有機農業を専攻する学生からは、
「畜産業は、牛のゲップなど環境負荷が話題になる中で、今後の畜産業に対してどんな認識をもってほしいでしょうか。」という質問に対して、
「地域によっては、気候の関係で、野菜は作れないが牧草など家畜のエサを作れるところがあります。畑地を有効に活用し、地域を活性化していく中で、畜産業は非常に重要な産業であると考えています。また、家畜の糞尿は、非常に良い肥料になるので、循環型農業への貢献にもつながります。」

「大豆ミートなど他のタンパク源の利用も広がってきていますが、畜産について消費者の方に知っていただき、消費者自身でどれを選択するか考えてもらうことが良いと思っています。」
と答えると、
「僕自身も同じ認識で、勉強する中で畜産業の重要性を感じたところです。まだまだ、わからないこともあるので、今後ともいろいろ教えていただけたら嬉しいです。」
とやり取りが続きました。

お茶だけでなく、畜産やお米のことなど、予定していた意見交換会の時間が過ぎた後も、Z世代と農水省職員の活発な議論が続きました。

こうした姿をご覧になった堀口社長から今回の所感を伺いました。
「こんな風に、繋がりができ始めています。今回の意見交換会は、Z世代にとっても大きな刺激になりました。彼らは次を見据えてどんな企画を実施するか、話を始めています。」

さらに、参加したZ世代4名から、今回の感想と今後の抱負を伺いましたので紹介します。

「意⾒交換会で扱われた内容は、全員ではありませんが、社会問題やトレンドに敏感な若年層の多くが興味を持つ分野だと思います。しかし、Z 世代の多くは SNS やメディアを通した⼆次、三次情報ばかりで、⼀次情報にアクセスできる⼈はごく少数です。 今回のような恵まれた会に感謝申し上げると同時に、今後、より多くの⼈になるべく新鮮で 根源的な情報に触れていただけるためにできることがあれば、ぜひご協⼒させていただきたいです。」

「省庁の⽅々との交流の機会は滅多にないこともあり、とても貴重な経験になりました。⾃分たちの世代は Z 世代で、新しい考え⽅を持っていると⾔われますが、今回は経験豊富な⽅々からのご助⾔が得られ、また、知識を共有することができた点で逆に⾃分たちの収穫が多かったです。これらいただいたテイクをもとに、次の世代へギブできるような存在を⽬指していきます。」

「若者に対して農業への興味関⼼をそそるために省庁が SNS などを活⽤し、発信していることに⾮常に驚き、若者にとっても⾝近なツールであるため、これからの農業は廃れることはないという可能性を感じました。今後の抱負は塩むすびの販売活動を通して⽇本⾷の魅⼒を⽇本のみならず海外の⼈へも発信していきたいと思います。」

「今回はなかなか話し合いできない農⽔省の⽅々と話すことができて貴重な経験になりました。また、⾃分達が考えていることや質問を通して気づけなかった領域の話から学びも多くありました。今後のお茶業界や農業界含め⽇本を変えていく施策をどんどん出して明るい業界に変えたいなと強く思いました。地⽅創⽣と農業でより⽇本の良さを出していけるように、今後も可能性を広げて取り組んでいこうと思っています。今後の抱負として、お茶業界、農業界で新たな活⽤⽅法や提案をできるようにしていきます!」

農林水産省の職員にとっても大変刺激を受けた貴重な機会になりました。ありがとうございました。