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1 はじめに 令和3年度の食料自給率は、カロリーベースで38%、生産額ベースで63%ですが、これは日本全体としての一つの数字です。しかし、実際には北から南まで47の都道府県では大分事情が異なります。 そこで、日本の農業の実態や実力をもう少し詳しく分析するために、「都道府県別食料自給率」と「食料自給力指標」をご紹介しながら、日本の国土と食料供給について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。 2 食料自給率の二つの「ものさし」(おさらい) 食料自給率を説明するには、生きてい
1 はじめに お手元にあるお菓子のパッケージの原材料を確認してみてください。小麦や砂糖とともにバターと卵もよく使用されています。バターや卵は風味や主に食感を出すためのもので、スイーツ好きには欠かせない食材です。また、冷蔵庫の中には牛乳と卵を欠かさないという方は多いのではないでしょうか。今回は、そのまま食卓にも並び、また加工食品の原材料として意識せずとも口にしている牛乳乳製品と卵についてご紹介していきます。 2 牛乳乳製品のお話(1)牛について 牛と聞くと、白黒模様の「ホ
1 はじめに 小麦を使った食べ物というとみなさんは何を思い浮かべますか?食パン、うどん、ケーキ、ラーメン、お好み焼き、色々あると思いますが、他にも、味噌・醤油のような調味料、カレールゥ、唐揚げの衣など普段何気なく食べている様々な食品に小麦が使われており、私たちの生活に欠かせない存在です。今回は、小麦の生産や消費の動向、そして最近の国産小麦の利用の広がりについてご紹介していきます。 2 小麦の消費 お米は一般的に粒のまま炊飯して食べますが、精米だけでなく玄米も流通しており、コ
1 はじめに 魚介類は、周囲を海に囲まれた我が国にとって食生活とのかかわりが深い存在です。近年「魚離れ」が進み、平成23(2011)年度には、肉類の消費量に逆転されていますが、食文化を語る上でも魚介類は欠かせない食材であり、また、近年は健康面からも注目を集めています。 魚介類の生産・消費の動向と自給率について、私たちの食生活の変容も交えてご紹介していきます。 2 寿司にみる魚介類消費 我が国で魚介類の代表的な食べ方としてまず思い浮かぶものは、寿司ではないでしょうか。寿司は
1 はじめに 果物はビタミンCやカリウムの供給源として、1人1日りんご1個程度を食べることが望ましいとされていますが(*1)、毎日果物を食べている人は24%ほどしかいません(*2)。 ここでは、果実の生産・消費の動向と自給率について、歴史にも触れながらご紹介していきます。 2 日本人にとっての果実 国連食糧農業機関(FAO)の統計によれば、日本人の果実の消費量は欧州と比較して半分程度、172の国・地域の中でも148位と、穀物(88位)、野菜(64位)、肉類(79位)に比べ
1 はじめに 今回は野菜の自給率についてお話します。野菜は、ビタミン、ミネラル、食物繊維等が豊富に含まれた重要な栄養供給源であり、私たちの生活に欠かせない食材です。近年の健康志向の高まりから、野菜の効能や栄養に関心が集まっていますが、その歴史、生産や消費の動向、そして自給率についてご紹介していきます。 2 日本で栽培されている野菜 現在、日本では様々な野菜が栽培されており、農林水産省の統計で生産量等が把握されているものだけで約90品目にのぼります。ですが、日本原産のもの
1 はじめに 「今日は焼き肉が食べたい!」皆さんはそんな瞬間がありませんか?お肉は、日本人に不足しがちな必須アミノ酸(リジン等)などの栄養価に富んでいます。明治初期から文明開化の象徴として肉食が奨励されましたが、日々の生活に定着したのは所得水準が大幅に向上した戦後になってからのことです。今回は、私たちの食生活を支えているお肉について、消費者の食生活の視点とお肉の生産者の視点から紹介していきます。 2 経済成長とお肉 お肉は、経済成長によって国民の所得水準が向上するにつれて一
1 はじめに みなさん、朝ご飯を食べましたか?では、朝「ご飯」を食べましたか? お米の自給率はほぼ100%で、我が国の食料自給率に占める割合も大きいです。日本人にとってお米は食料安全保障の要とも言えます。 しかし、歴史をさかのぼるとお米が国内で自給できずに輸入に頼らざるを得なかった時代もありました。お米の自給率から歴史を紐解くと新たな発見があるかもしれません。 2 お米が経済を回していた時代 ~江戸時代~ 現代では、国の経済の規模はお金で表し、給料も税金もお金で支払
1 はじめに 「食料自給率」と言えば、最近は「そういえば学校で習った」という人も少なくないのでは?でも、実際にどうやって計算しているのか、品目ごとにはどうなっているのか、といった詳しい内容はほとんど知られていないと思われます。 そこで!農林水産省の担当者が、日本の食料自給率をできるだけ分かりやすく、様々な角度から、詳しく丁寧に解説していきたいと思います。 食料自給率を知ることは、日本や世界の食料問題への理解を深めることであり、食と農の未来を考えることにも繋がります。 【