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「カレー」を通した食料自給率アップへの挑戦[Vol.3]

『食でつなぐ、人と笑顔を。』というグループメッセージを掲げ、カレーやシチュー、スパイス、デザート、スナック、ラーメンなど様々な商品を通じて消費者の「幸せ」をサポートしているハウス食品グループ様。

10年以上前から独自で取り組んできた地産地消の推進。まだ企業の社会貢献といった言葉が今ほど一般的ではなかった時代から活動を続けて経験を積み重ね、地域と一体化した取組を全国で展開しています。

今回はニッポンフードシフト推進パートナーの、Z世代社員の今の業務や生活に即したフードシフトな取組を紹介します。

これまでの経緯と食や農への取組・想い

『食を通じて、 家庭の幸せに役立つ』という会社の理念に共感されて入社された、東北支店営業推進課の前川貴広氏、コミュニケーションBUの小笠原百香氏、ハウスウェルネスフーズ マーケティング部の栄山夏菜氏に、入社の経緯、現在の業務、食や農業に興味を持ったきっかけなどについてお聞きしました。

(左)ハウス食品株式会社 東北支店営業推進課 前川貴広氏
(中央)ハウス食品株式会社 食品事業一部コミュニケーションBU 小笠原百香氏
(右)ハウスウェルネスフーズ株式会社 マーケティング部 栄山夏菜氏

【インタビュー内容】
(前川氏)
大学では工学部の機械工学科を専攻しており、エンジニア職への興味関心があった一方で、アルバイトは全て飲食関連で行うなど、「食」に対する興味の方が次第に強くなっていきました。人と話すことが好きであったこともあり、就職活動では食品関連の企業を中心に営業、広報、商品開発の職種を希望していました。その中で、第一希望であった当社に営業として入社して4年目となります。営業に対するイメージを明確に持っていなかったため、入社してから大きなギャップもなく、多くのことを営業業務として吸収できています。現在は量販店などに向けた提案補助やその他関連する業務に取組んでいます。

「食」への興味を持つようになったのは、幼少期に母親から、「このメニューには何がはいっていると思う?」など、食についての質問を投げかけられていたことがきっかけになったと思います。また、大学で一人暮らしを始め、自炊を始めたことや、好きなラーメンの食べ比べをしたり、食事を通じて友人とのコミュニケーションが弾む経験を経て、「食」への興味を強めていきました。入社後は、当社が調理型商品を中心に扱っていることもあり、調理する素材に触れる機会が増え、生産者の方々の顔がよく浮かぶようになりました。生産者の方を思い浮かべると、食材を残すことは絶対しなくなりました。また、職業柄、新商品が出た際には自分で一度調理をして、自分の口で具体的に説明できるよう心掛けています。

(小笠原氏)
米国で暮らした経験があり、更に英語力を磨きたいと思い、大学では外国語学部の英語学科を専攻しておりました。元々、「食」には興味があり、食とグローバルに関するゼミに入り勉強をしました。米国にいるときに見たハウスの豆腐が印象的で、カレーだけでなく様々な事業を展開する当社を就職活動時に希望し、入社することができました。当社のルウ製品、フルーチェなど調理型商品のプロモーションを担当する部署で業務を始めて2年目となります。将来的には英語力を活用できる海外事業に携わりたいと思っています。

「食」への関心が強くなったのは、海外では食事を残すことに対して「もったいない」という価値観の共有ができず、日本と海外の文化の違いを感じたことがきっかけです。業務では、農林水産省と一般社団法人Jミルクが行っている「牛乳でスマイルプロジェクト」
https://housefoods.jp/recipe/special/milk_recipe/)に携わり、牛乳乳製品の消費拡大に取り組む中で、「食」やSDGsへの興味が強くなっています。また、別の案件でZ世代に関わる企画にも携わり、社内のZ世代へのインタビューを通して、自炊するメンバーがかなり多かった事や、食品ロスへの関心が高かった事は新たな発見でした。

(栄山氏)
大学では経済学部の国際経済学科を専攻し、主に行動経済学を勉強していました。就職活動時は特定の業界に絞らず、幅広い企業を視野にいれていましたが、当社のインターンシップの内容が非常に充実していたこと、また携わった方々の人柄に惹かれて入社に至りました。行動経済学を活かすことの出来るマーケティング部に配属され、入社2年目となります。現在はプロモーションに関わる業務を担当しており、 WEBサイトの管理や企画の実施、CM広告の検討などをしています。元々、デザインや色にも興味があるため、今後はお客様とのタッチポイントである外観や製品イメージの部分の業務にも関わっていくことができればと思っています。

「食」への関心が強くなったきっかけとしては、海外留学時に参加したフードバンクでのボランティアで、非常に多くの人が食べる物に困っているという現実を目の当たりにしたことです。最近に至っては、物価の高さから節約の必要性を感じ、食材を残さないよう、うまく活用する工夫をするようになりました。また円安が進む中で、国産食材と同じ価格の輸入品が国産食材より多く並んでいる現状をみて、自給率の低さを感じています。このような日常生活での経験から、「食」や「農」の関心は強まっています。

Z世代社員が取組むそれぞれのフードシフト

食品会社での業務や普段の生活において、食に関して実際に行っているフードシフトな事例についてお聞きしました。

1.普段の生活での食に対する取組

【インタビュー内容】
(前川氏)
社会人になってから、ふるさと納税を使うようになり、月に一回送られてくる地域の野菜セットを楽しんでいます。長芋、ゴボウ、ヤーコンなど、自分では購入しない野菜が届き、新たな素材の調理方法や味を知るきっかけになっています。一方で、オーガニック野菜なども気になりますが、価格の観点から手が伸びていないのが実情です。

調理風景

(栄山氏)
身近な取組としては食品スーパーでは賞味期限の近い商品を選ぶようにしています。食品ロスと節約の観点をバランスさせながら都度判断しています。また、できるだけ直売の青果店などで野菜を購入するようにしています。サイズや形はバラバラで、野菜に虫が入っていることもありますが、その分新鮮さを感じ、野菜選びを楽しんでいます。オーガニック野菜にも興味はありますが、東京で暮らす社会人2年目としては、価格的に手に取るのが難しいと感じています。

買物風景

2.産官共同プロジェクトをきっかけにした「SGDs」や「食」への取組

【インタビュー内容】
(小笠原氏)
「牛乳でスマイルプロジェクト」に携わり、牛乳大量廃棄への対策を他社と取組み、SDGsにも通じる活動ができていることで自分自身の満足感になっています。
また、このプロジェクトに関わり始めて、以前より牛乳を飲むようになり、牛乳パックのリサイクルにも目が向くようになりました。紙パックだけでなく、発砲スチロール、段ボールなど、可能なものはなるべくリサイクルするようになりました。さらに、食品廃棄への関心も高まり、近くのスーパーマーケットでは、売れ残りなどの野菜を選ぶことが多くなりました。以前はまったく気づかなかったものですが、捨てられてしまうのは「もったいない」という思いが強くなり、手に取るようになったと感じています。

牛乳でスマイルプロジェクト

食に関わるZ世代社員の想い

食や農に関する生活の中での取組や、各部署で様々な業務に取組んできた三人に、これから貢献・実現したいこと、および若い方々に向けて伝えたい事についてお聞きしました。

インタビューにお答えいただいた3名の職場での様子

【インタビュー内容】
(前川氏)
幼少期から母親に料理を作ってもらうことは、美味しさや経済的な面だけでなく、家族の会話が生まれ、「食育」という観点で非常に大切だと感じていました。現在は独身ですが、自分に家族ができても、家庭内での「食育」の機会を自ら料理することで作っていきたいと考えています。人口減少や調理機会の減少の傾向の中、調理型商品を普及させていくためには、料理をする機会を増やしていく必要があります。自らが率先して調理をし、家族や周りの人々にもその影響が伝われば幸いです。料理することは大変な事ですが、月一回でも調理する機会、素材に触れる機会を持つと、「食」の大切さやこれまでなかった興味に気づくきっかけとなるため、学生の方々にもぜひ一度試してほしいです。

(小笠原氏)
今後については、現在携わっている「牛乳でスマイルプロジェクト」を通じて酪農家の方々や乳業メーカーのサポートに尽力し、牛乳を少しでも皆様に飲んでもらうことで人々の健康に寄与したいと思っています。別の業務となりますが、フルーチェを活用して地域を盛り上げる企画を検討しており、フルーチェを通じて、地域活性化に繋がるような取組ができればと考えています。そして、日本の少子高齢化が進む中で事業を継続していくために、ハウスの商品を海外にも一層広げられるような仕事をしたいです。具体的には、米国でもカレーが日本の食卓と同じようにメインメニューになるような仕事に携わりたいと思っています。外食へ行く人が増える中で、特に若い方達には料理をつくる達成感や楽しさを味わう機会を見つけて、「食」に携わってほしいです。

(栄山氏)
当社に入社して「食」に関する知識は増えましたが、今回のインタビューの
内容を考えている中で、 「農」に関してはほとんど知らないことを実感しました。先日、地方へ旅行した際に、コミュニティで野菜を自給自足しているモデルを見て、都会とは違った可能性を感じました。私自身、自然がとても好きなので、自然に囲まれながら自給自足の生活をすることも少し憧れています。また地域によってはブランド産品があるので、そのような魅力も知っていきたいと思っています。若い方達は、SNSを中心にした情報共有に夢中になりがちですが、「食」に関しては「見た目」、「映え」以外にも、 「調理」や「素材にこだわってみる」など、楽しみ方は沢山あると思います。なので、様々な視点から「食」の楽しみ方を見つけてほしいです。