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食や人の交流から文化を創造するフードシフトな取組[Vol.2]

総合プロデュース企業として、創業80年にわたり、豊かな自然環境づくりと、食生活への奉仕を通して、日本の美、日本の文化を世界に発信されている八芳園様。

心を込めた「OMOTENASHI」と歴史ある日本庭園を軸に、挙式披露宴などのプロデュースだけでなく、社会貢献や地域活性化を目的に自治体や学生との連携にも積極的に取組まれています。

今回はニッポンフードシフト推進パートナーの取組の第2弾として、八芳園様が運営するnoteの執筆者として取材から撮影までを担う、若手社員の食や農への取組・思いを紹介します。


これまでの経緯や食や農への取組・想い

SNSを活用して、八芳園様と地域の連携などの情報発信を行っている事業企画室 広報チームの髙橋佳沙音氏に、入社の経緯、現在の業務、食や農への取組・想いなどについてお聞きしました。

株式会社八芳園
事業企画室 広報チーム
髙橋 佳沙音氏

【髙橋氏 インタビュー内容】
学生時代は芸術学部で写真を専攻していました。フォトグラファーの求人を探していたところ、当社でも募集しており、結婚式場だけでなく、地域と連携した様々な取組に関する写真を見て、この企業に入社することにより多様な経験をさせてもらえると考えて応募し、入社に至りました。

現在の業務は、当社の公式SNSの運用(note/Instagram/Twitter/Facebook)、およびSNSマーケティング、キャンペーン企画、インフルエンサー施策や取材・撮影・文章作成を行っております。入社後は企画部に配属され、広報用にイベント撮影や料理の撮影をしておりました。撮影の延長でSNSの運用担当になり、2022年5月にnoteの本格運用を開始し、週1回のペースで更新しております。専門的に学んできた分野は撮影でしたが、入社してから広報用の文章を書くことを始め、noteの執筆を担当するまでに至りました。

地域と連携した取組の様子

noteの執筆に関しては、週替わりで日本全国の魅力をお届けするイベントを開催している、八芳園が運営するポップアップショールーム「MuSuBu」のコンテンツを主に発信しています。自治体や生産者の方々が思いを込めて作った食材、それを当社のシェフが調理したメニュー、また皆さまの思いをストーリーとしてしっかりと残せるように構成し、それが伝わる写真を撮影するなどの工夫をしています。日本各地では様々な食材を生産していますが、生産地について詳しく調べたり、理解する機会は日常のなかでは多くありません。「MuSuBu」では、各地域の食について知るきっかけの場になることに加えて、実際にお召し上がりいただくこともできます。イベントごとに変わるカフェメニューは、その地域の素材を取り入れて開発したメニューを提供しており、他にはない価値のある取組だと感じています。

「MuSuBu」で提供されたカフェメニュー

「MuSuBu」でのイベントは開催期間が短いため、初日に取材を行い、当日に記事を出すことのスピード感を掴むまでは大変な苦労がありました。ひとつの自治体で10組ほどの生産者の方々がいらっしゃった際のインタビューは、大変なボリュームとなり、どのように編集しようかと途方に暮れたこともありました。私は食の専門家ではないため、生産者の方々に少しでも歩み寄るために事前の下調べを行っています。可能であれば実際にその生産者の方が作ったものをいただいてからインタビューすることにより、コミュニケーションを膨らませる努力を続けています。生産者の方から直接お話を伺う機会は本当に貴重であり、大変やりがいを感じています。記事については自治体や生産者の方々にもご好評をいただき、「MuSuBu」のイベントに参加された生産者の方やこれからイベントを開催する自治体の方からnote記事に対して期待をしていただくと、これまで発信してきた内容が評価されていると感じ、私自身のモチベーションになっています。

イベントの様子

様々な人たちを通して取組むフードシフト

これまでの「食」に関する印象的な取組や個人のフードシフトな取組についてお聞きしました。

1.地域との交流による新たな価値のプロデュース

【髙橋氏 インタビュー内容】
東京都港区にある麻布子ども中高生プラザの屋上で行われた「日本一の農業高校生が教えてくれる!一緒にお米をつくろうプロジェクト」に携わり、福島県にある岩瀬農業高校での稲刈り体験に同行し、取材したことが今でも印象に残っています。このプロジェクトは、都心の屋上でお米を育てる小学生たちに、岩瀬農業高校の生徒がお米に関するオンラインレクチャーを行い、交流を深めることから始まり、東京でプロジェクトに参加していた小学生が親御さまと一緒に福島へ稲刈り体験に行くまでに発展した取組です。年代や居住地に関係なく、「食」でつながる絆を間近に感じることができ、大変感動を覚えました。東京から来た親子は、実際に大きな田んぼに訪れることで新たな発見をし、普段自分たちの食べている 「食」に興味を持つきっかけになったようです。また、高校生も生産者として「美味しく食べてもらう」 ことの喜びを語ってくれ、このような交流が新たな発見や感動を生むことを実感しました。当社の福島県出身の担当者からは、地元を活性化させながら、同じ取組を他の地域でも広げたいと熱い想いを聞いており、私もその一助となれば幸いです。

「日本一の農業高校生が教えてくれる!一緒にお米をつくろうプロジェクト」の様子

2. 「食」への興味の変化

【髙橋氏 インタビュー内容】
業務を通して生産者の方々と出会うことにより、普段口にしている「食」には生産者の方たちの強い想いがあることを理解し、「食」に対する思いが大きく変わりました。買い物の際には商品の生産地をよく見るようになり、これまでインタビューした地域と重ね合わせ、特産物などの他の食材を思い浮かべて調理することが多くなりました。
旅行をする際には、その地域ならではの美味しいものを食べますが、きれいな山や川など、その地域の自然のめぐみによって特産品が生み出されているということを感じています。「食」を楽しむだけでなく、「食」を通して、その地域の成り立ちや地域と「食」の関係性を考えて味わうようになりました。昨年の夏はキャンプをしながら東北地方を巡りましたが、海に囲まれた青森の大間で食べた海鮮、十和田で食べた山の幸など「食」を支える様々な背景を学び、味わいながら旅をしました。同じ食材でも、地域によって呼び方が違ったり、味わいにも違いがあり、地域の特色に食の変化が伴っており、一味違った楽しみ方を発見できました。

その他に、当社の取組でグアテマラのサンミゲル農園への出張視察をする機会があり、そこでは品質の高いコーヒー豆を作るだけではなく、地域の雇用機会を作ることや、教育や医療なども農園が整えていることを目の当たりにしました。そのような取組を行っている食品を選ぶことにより、世界の環境もより良くなっていく事が具体的に分かり、SDGsの観点でも大変勉強になっています。

グアテマラ サンミゲル農園でのコーヒー豆作りの様子

今後の貢献・実現したいこと・想い

業務を通した今後の展望、同世代の方に伝えたい事についてお聞きしました。

四季を感じられる八芳園の庭園風景

【髙橋氏 インタビュー内容】
今後はnoteを中心にSNSを活用して、皆様に更に「食」や「地域」に興味を持ってもらえるコンテンツづくりをしていきたいです。当社の公式Instagramではフォトコンテストを開催することで数千人の参加者を得られており、また日本庭園の四季を毎日継続してお届けすることにより、多くの皆さまに高評価をいただいております。同様に、「食」に関してもSNSの力を活用して、当社から一方的に自治体の食の特徴を発信するのではなく、SNSユーザーも楽しみながら参加できるような取組を行っていきたいです。

八芳園 公式Instagramで開催したフォトコンテスト

各地域の自治体や生産者の方々へのインタビューだけでは分からなかった事も、現地を訪問することによって初めて気づくことが多々あります。そういった一歩深掘りしたコンテンツを直接現地で発見してお届けすることも、皆さまの興味・関心をより広げるものと考えており、挑戦したいテーマです。先日、「MuSuBu」にて開催した徳島のイベントの際に、パンフレットを見て、特産品を食べて、徳島へ移住したいとおっしゃる方もいました。このような事例が多く生まれるように、人々の行動のきっかけになるコンテンツを届けたいです。そこで、共通認識、コミュニケーションにおいての重要なツールになるのは「食」が最適と考えており、「食」を入口とした情報発信の仕方を工夫していきます。

同世代の方々は、「食」に対して美味しさや価格などの面を重視している方が多いかもしれません。しかしながら、生産地、作り方、食材の旬など、その背景や様々な関連性を知ることで、これまで以上に「食」の面白さを味わうことができます。是非一度、普段の食事や「食」と関わる際に、背景などを深掘りして考える機会を持つことを勧めたいです。

八芳園 公式note
https://note.com/happoen/

八芳園 公式Instagaram
https://www.instagaram.com/happoen/


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