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NFS通信

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食や農の現場で見つけた、様々な情報を紹介します。
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2023年5月の記事一覧

【こだわり農家見聞録~其の壱~】桃川農園(新潟県村上市)

皆さんこんにちは、 アサヒパック広報の小林です! こちらは、日ごろ弊社製品をご愛顧いただく農家様の”想い”や”こだわり”を取材し、まとめた記事です。題して「こだわり農家見聞録」。 その第一弾としてお話を伺ったのはこちらのお客様。 取材に快く応じてくださり、ありがとうございます! 愛する地元で、自由な農業を 7年前、家族の大反対を押し切って勤めていた会社を辞め、農業の世界へ飛び込んだ桃川農園代表の佐藤譲さん。 初期投資のため貯金を切り崩し、収入は一時、三分の一にまで落

食べた人も、地域も、自然も喜ぶお米づくり|有機農業集団「無の会」に迫る【後編】

無の会がある会津盆地はお米の収穫時期の寒暖差が激しく、四方の山から流れる豊かな水が美味しいお米を育てる全国でも有数の米どころ。 その地にあって、農薬や化学肥料を一切使わず、自家製堆肥をすきこんだ土で育てられた無の会のお米は上品で香り高く、宇野さんたちをはじめ、訪れる人たちを虜にしている。 「うちのお米は炊いてからずっと放置してもさ、“腐らない”んだよ」 取材中、児島さんが差し出した小瓶には、3年間放置して自然に発酵し、乳酸飲料のような甘酸っぱい香りを放つご飯が入っていた

30年貫いた有機の道に、若き人材が続く理由とは|有機農業集団「無の会」に迫る【前編】

「農業の基本は教えるけど、あとは自分でやってみろってのがうちのやり方なんだ」 福島県会津美里町にある農業法人「自然農法 無の会」の代表、児島徳夫さん(73)がからからと笑った。 「最初は全部教えてくれると思ってたんです。本当に教えてくれない」と、同会のプロデューサーを務める宇野宏泰さん(29)が冗談まじりに応じると、メンバーの岡本照正さん(32)、上野拓也さん(29)、大島武生さん(24)も同意するように笑った。 「全部教えちゃうと、自分で考えなくなるじゃないか」 無

“海への関わりで、料理人は社会でもっと大きな存在になれる” Sincère 石井真介

海のことを何も知らないで魚を扱うのは「すごく無責任だな」と思った ——海の問題に注目し始めたきっかけは何ですか? 今回のプログラム「THE BLUE CAMP」は、海の未来を考えるシェフたちがともに学び合う団体「Chefs for the Blue」の活動のひとつ。僕は2017年の立ち上げ時期から活動に関わってきました。とはいえ、それよりも前から海に対して危機感を覚えていた訳ではありませんでした。 2017年当時、料理人は築地などの市場には行くものの、漁港に行ったり漁師さ