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NFS通信

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食や農の現場で見つけた、様々な情報を紹介します。
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記事一覧

牛が教えてくれる「食べること」と「私たちの命」 / 高秀牧場

循環型酪農について取材させていただいた千葉県いすみ市にある高秀牧場。取材中、筆者が何度も感じたことは、「生きるということは命をいただいている」ということ。 取材させていただいた馬上温香(まがみ・はるか)さんは、元々、全然酪農をやりたくなかったそうだ。しかし、牛のある凄さに感動して、今では牛に囲まれた生活をしている。一体、どのようなきっかけがあったのでしょうか。 高秀牧場の循環型酪農についての前編記事はこちら 岡 優成 感動のきっかけはモーモースクール「牛って、すごい生

未来へ”酪農”を残すために。高秀牧場の循環型酪農とは。

 北海道のような広大な景色が広がるのは、千葉県いすみ市にある高秀牧場。今回は、高秀牧場の馬上温香(まがみ・はるか)さんを取材させていただいた。 高秀牧場は、酪農だけでなく、チーズの製造やジェラートの製造、菓子の製造なども行っている。さらにカフェも併設しており、牛を見ながらジェラートをいただくこともできる施設だ。 そんな高秀牧場のホームページを拝見すると”循環型酪農”と言う文字が目立つ。 循環型酪農とは一体どんな酪農なのか、馬上さんにたずねてみた。 書き手:岡優成 牛は

農業生産ノウハウをDX化することで、新規就農者を増やす!勘と経験に頼らない農業への挑戦【PLANT DATA株式会社】

植物生育診断技術により、持続可能な農業を確立することを目的とした実装実験に挑戦していたPLANT DATA株式会社。経験や勘に頼りすぎず、農業のノウハウをDX化することで、品目転換や新規就農者が挑戦しやすく、さらに若者が魅力を感じる農業を目指している。実装開始から約1年、データ化した植物生育診断を元に取り組んだ農業の実装結果について報告する。 「光合成蒸散リアルタイム計測チャンバ」と「画像計測ロボット」を使って新規就農者を支援する 今回の実装フィールドは、西予市野村町。「

生まれ育った島の集落へUターン みかん農家へ転身したバンドマン

大学進学を機に、生まれ育った小豆島、中でも棚田や農村歌舞伎、虫送りの文化など、美しい日本の原風景が残る肥土山を離れ、ひとり大阪へ。 10年ほどの音楽活動の後、バンド解散を経て大阪から小豆島へUターン。 コロナ禍の真っ只中に8年間勤めた地元の飲食店を退職し、みかん農家への転身を決めた。 それが、この記事の主役、文次郎農園の太田翔さんだ。 今回は、大阪から小豆島へUターンを決めた理由、都会と島での暮らしの変化、みかん農家への転身を決めたきっかけ、そして、もうすぐ限界集落となる

【こだわり農家見聞録~其の弐~】徳永農園(新潟県柏崎市)

皆さんこんにちは、 アサヒパック広報の小林です! こちらは、日ごろ弊社製品をご愛顧いただく農家様の”想い”や”こだわり”を取材し、まとめた記事です。題して「こだわり農家見聞録」。 今回はその第二弾。お話を伺ったのはこちらのお客様です。 取材に快く応じてくださり、ありがとうございます! 「職業」として選べる農家を目指して 後継者がいない…。全国の中小企業のほとんどが直面している問題だ。 経済産業省と帝国データバンクによると、日本の全事業者で「中小企業」に該当するのは全

【こだわり農家見聞録~其の壱~】桃川農園(新潟県村上市)

皆さんこんにちは、 アサヒパック広報の小林です! こちらは、日ごろ弊社製品をご愛顧いただく農家様の”想い”や”こだわり”を取材し、まとめた記事です。題して「こだわり農家見聞録」。 その第一弾としてお話を伺ったのはこちらのお客様。 取材に快く応じてくださり、ありがとうございます! 愛する地元で、自由な農業を 7年前、家族の大反対を押し切って勤めていた会社を辞め、農業の世界へ飛び込んだ桃川農園代表の佐藤譲さん。 初期投資のため貯金を切り崩し、収入は一時、三分の一にまで落

「農業は土だ」とよく聞くけれど、これほどにそれを体現している農家を私はまだ知らない。 <有機農家・田中栄三さん訪問記>

まって、畑綺麗すぎ。 岩手県岩手町で有機農業を営む田中栄三(たなか・えいぞう)さんの畑を友人の紹介で訪れた時、真っ先にこの言葉がでた。 白い蝶がまっていて、まっすぐに整列した畝(うね:畑で作物を作るために、細長く直線状に土を盛り上げた所)は、その畝ごとに姿が異なり、無数の野菜やハーブがいきいきと育っている。 「みんなして何種類あるかって聞くんだけど、数えられないんだ」 そう笑顔で話を始めてくれた栄三さんは、すぐに買い手がついてしまう美味しい野菜やハーブ、苗を育てる知る

食べた人も、地域も、自然も喜ぶお米づくり|有機農業集団「無の会」に迫る【後編】

無の会がある会津盆地はお米の収穫時期の寒暖差が激しく、四方の山から流れる豊かな水が美味しいお米を育てる全国でも有数の米どころ。 その地にあって、農薬や化学肥料を一切使わず、自家製堆肥をすきこんだ土で育てられた無の会のお米は上品で香り高く、宇野さんたちをはじめ、訪れる人たちを虜にしている。 「うちのお米は炊いてからずっと放置してもさ、“腐らない”んだよ」 取材中、児島さんが差し出した小瓶には、3年間放置して自然に発酵し、乳酸飲料のような甘酸っぱい香りを放つご飯が入っていた

30年貫いた有機の道に、若き人材が続く理由とは|有機農業集団「無の会」に迫る【前編】

「農業の基本は教えるけど、あとは自分でやってみろってのがうちのやり方なんだ」 福島県会津美里町にある農業法人「自然農法 無の会」の代表、児島徳夫さん(73)がからからと笑った。 「最初は全部教えてくれると思ってたんです。本当に教えてくれない」と、同会のプロデューサーを務める宇野宏泰さん(29)が冗談まじりに応じると、メンバーの岡本照正さん(32)、上野拓也さん(29)、大島武生さん(24)も同意するように笑った。 「全部教えちゃうと、自分で考えなくなるじゃないか」 無

自然食って茶色で不味い、ものじゃない!「いのちを育む食」を届ける旬彩工房【eumo✖️NIPPON TABERU TIMES 加盟店取材企画】

雪深く、ブナの森が広がる山形県の白い森の国・小国町。百名山の一つである、飯豊山の麓にあたる場所で農業を営んでいるのが、旬彩工房代表の山口ひとみさんです。 「いのちを育む食の応援団」でありたいと願う、地元のお母さんたちと、組合として立ち上げた旬彩工房は、街中から20分近くかかる地域の雇用の場にもなっています。 自家栽培のお米と雑穀を活かして作られた、安全で美味しいおやつやパンたち。購買がない地元の高校や役場などでも販売を行い、地域の人たちの食の支えにもなっています。 雑穀

産地リポート #2 ~農家が生み出す加工品~

今年も関東甲信地方で梅雨入りが発表されました。洗濯物の生乾き臭が気になる時期・・・。気分がどよ~んと沈みがちですが、こんな時こそお家時間を充実させたいですよね♪ さて、今回は『産地リポート』企画の第2弾! JAにしたま管内の農産物や生産者にスポットをあて、農産物の知られざる魅力や生産現場のリアルをお伝えしていきます。 今回は、農家が生み出す加工品開発の現場に密着! 2022年から加工品販売を始めた、羽村市の宮川農園さんを紹介します。 宮川農園さん 地域の中でも存在感を

「スマート農業指導士」って?資格取得を目指すJA職員に聞いてみた。JA秋田おばこ 佐々木 基登

スマート農業を教えてくれる人ってどんな人? ロボット技術や情報通信技術(ICT)などを活用し、農作業の省力化・作物の高品質化が期待できる「スマート農業」。 普及に伴い、今後は多くの指導者が必要になると予想されています。 それではいったい誰が、どんな思いで指導者を目指すのでしょうか。 今回は、「スマート農業指導士」の資格取得を目指す佐々木さんを取材しました。 育成プログラムを受講するJA職員に密着! ― 「スマート農業指導士」について、詳しく教えてください。 スマー

「旬のある暮らしを共に分かち合う」ために。/柴海農園

「野菜の旬に合わせた食生活をすることが人間にとっても豊かな生活だと思うんです」 こう語るのは、千葉県印西市にある柴海農園の代表、柴海祐也(しばかい・ゆうや)さん。 柴海農園のテーマは「旬の暮らしを共に分かち合う」。野菜の旬を感じることで四季を感じ豊かな生活を送る。柴海農園が、お客さんとその価値観を共有するために行っていることについてうかがいました。 書き手:岡 優成 農家の息子だけど新規就農。柴海家は、代々農業を行ってきた家系で、柴海農園を営む祐也さんは16代目。ご両

お酒好きが作る「最強の枝豆」ここに降臨!自社農園を通じて農家や地域の未来を変革しようとする瀬音 幸弘さんの枝豆は、白岳しろと相性抜群と言わざるをえない絶品おつまみだった

「自分で枝豆作っちゃえば、おつまみ代浮くかなと思って(笑)」 こんなお酒本位の動機から、自社農園を立ち上げた人物がいます。 瀬音農園農場長 瀬音 幸弘(せおと ゆきひろ)さん。 平日は種苗メーカーの営業職として農家の方々と向き合いながら、休日や空いた時間を利用して農園を運営する熱血漢です。 勤務先の宮崎県で生活しながら、週末や祝日になると熊本の実家に帰って農園を管理する瀬音さん。その奮闘ぶりを日々Twitterで発信することで、野菜づくりのリアルな楽しさや厳しさをわかり