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NFS通信

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食や農の現場で見つけた、様々な情報を紹介します。
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山口県を代表するブランド豚。安全で美味しい鹿野高原豚を多くの人に届けたい。

有限会社 鹿野ファーム 代表取締役社長 隅 明憲さん 1960(昭和35)年、山口市生まれ。東京経済大学経済学部卒業。東京の不動産会社に2年間勤めた後、鹿野ファームのグループ会社を経て、1992(平成4)年に鹿野ファーム取締役に就任。2009(平成21)年に経営を引き継ぎ、代表取締役社長に就任。2014(平成26)年、新たにハム工場・総菜工場を建設。2019(平成31)年、畜産クラスター事業で事業規模拡大。付加価値の高い養豚を目指して、豚の繁殖・肥育から加工・販売まで一貫し

美味しいだけじゃない。22世紀の「食」を見据えた大人気チーズケーキの秘密

金曜と土曜の夜にだけ買える、特別なチーズケーキがある。 「CHEESE WONDER」。なめらかな生チーズスフレと生チーズムースの2層構造が特徴で、口にいれた瞬間、濃厚さと軽やかさが同時に広がる。 オンラインで販売され、即完売。累計の販売数は、これまでの2年半で120万個を突破した。北海道に拠点を構える株式会社ユートピアアグリカルチャーが生んだヒット商品だ。 美味しさの鍵を握るのは、原料に使われる「放牧牛乳」。自社の牧場で放牧された牛からとったものだ。 放牧牛乳は、一

具志堅 興児/具志堅農園

先祖が残した土地のある国頭村を昔のような農村に戻したい!元カメラマンの挑戦が周囲に広がる ■プロフィール  那覇出身。東京の映像関連専門学校を卒業後、沖縄に戻って写真スタジオへ就職。旅行誌や飲食店、商品写真の撮影などを担当後、フリーカメラマンとして独立。  フィルムからデジタルカメラに移行する過渡期だったこともあってリゾート関連企業に転職した後は、広報部で収穫体験などの体験型プログラムなどを企画するなかで、沖縄各地の農家と交流する機会が増えた。  そのころ、曽祖父が

新規就農 二人三脚 きゅうり生産者 坪井ファーム〈北海道長沼町〉

畑違いの仕事から、農家を目指す。 新規就農はラクな道ではありません。 作物を育てるための技術習得はもちろん 農地の取得、資金の確保、販路の開拓、 周辺農家との関係づくりなど 行く先にはいくつものハードルが 待ち受けています。 それでも 農の道を歩むことを決意した 夫婦二人の10年間を ちょっと振り返ってみましょう。 夫婦それぞれの道が 農業で一つに重なる。 もの静かに着々と仕事をこなす「ひでくん」こと坪井秀貴さん。明るくエネルギッシュで、スタッフから「のりちゃん」と親しま

豊かな恵みを未来につなげる、海のSDGs。 海底の森、藻場を守る漁師たち。

海底の森、藻場を守る漁師たち。「若狭高浜ブループロジェクト(WTBP)」藻場(もば)って聞いたことありますか?藻場とは、海底を覆う海藻の森のこと。アワビやサザエなど貝類の餌場であり、魚の産卵や稚魚の育つ場としての役割もある、水生生物の生活に不可欠な森です。 さらに、藻場は、栄養塩類や炭酸ガスを吸収して酸素を供給するなど海水の浄化にも大きく貢献しています。陸地でも森の木々が空気をきれいにしてくれていますよね。それと同じです。 けれど、いま、その藻場に大問題が発生。海藻を食

有機農家11年目。まったく売れなかったビーツのヒットでブランド確立。大病を経て、これから進む道は?|先輩移住者file.4

先輩移住者ドキュメントfile.3 平形清人 生まれ:1981年群馬県高山村 移住タイプ:Uターン 以前の住まい:カナダ・サスカチュワン州 移住時期:2009年(現在14年目) 家族構成:5人(妻、息子9歳、8歳、娘4歳) 仕事:有機農園「Kimidori farm&kitchen」運営 カナダ留学。家族経営の有機農家で働きながら、地域づくりのボランティアを楽しむ 25歳の時、ワーキングホリデーの制度を利用してカナダで働き始めました。もともと大学は国際学部で、環

「もったいない」ふくしまの桃を農家の想いとともに商品化

「ふくしまおこしびとPlus」ではふくしまの地域づくりキーパーソンや関係人口の方に、福島の魅力や想いをお話いただきます Profile 福島市生まれ。田舎に魅力を見出せず仙台の大学へ。在学中に音楽活動を開始。大学卒業後、テレビ局ディレクターとして企画・取材・撮影に携わっていたが、本気で音楽活動するためバイト生活に切り替える。ゴスペルを指導しながら、飲食店の運営に携わる。 東日本大震災を機に地元の福島へ。ゴスペルで元気になれる企画を進めるうち、まちづくりに興味を持ちNPO事務

【繁盛米屋探訪記~2023年10月号~】まきの米店(千葉県船橋市)

皆さんこんにちは、 アサヒパック広報の小林です! こちらは、日ごろ弊社製品をご愛顧いただくお米屋さんの”工夫”や”独自の視点”を取材し、まとめた記事です。題して「繁盛米屋探訪記」。 2023年10月号としてお話を伺ったのはこちらのお客様。 取材に快く応じてくださり、ありがとうございます! 食と生活者、生産者のパイプ役として 途絶えない客足。ひっきりなしに鳴る電話…。 『取材時は大盛況だったって、記事に書いておきますね』と伝えると、『そんなそんな!』と笑ってくださった

牛が教えてくれる「食べること」と「私たちの命」 / 高秀牧場

循環型酪農について取材させていただいた千葉県いすみ市にある高秀牧場。取材中、筆者が何度も感じたことは、「生きるということは命をいただいている」ということ。 取材させていただいた馬上温香(まがみ・はるか)さんは、元々、全然酪農をやりたくなかったそうだ。しかし、牛のある凄さに感動して、今では牛に囲まれた生活をしている。一体、どのようなきっかけがあったのでしょうか。 高秀牧場の循環型酪農についての前編記事はこちら 岡 優成 感動のきっかけはモーモースクール「牛って、すごい生

未来へ”酪農”を残すために。高秀牧場の循環型酪農とは。

 北海道のような広大な景色が広がるのは、千葉県いすみ市にある高秀牧場。今回は、高秀牧場の馬上温香(まがみ・はるか)さんを取材させていただいた。 高秀牧場は、酪農だけでなく、チーズの製造やジェラートの製造、菓子の製造なども行っている。さらにカフェも併設しており、牛を見ながらジェラートをいただくこともできる施設だ。 そんな高秀牧場のホームページを拝見すると”循環型酪農”と言う文字が目立つ。 循環型酪農とは一体どんな酪農なのか、馬上さんにたずねてみた。 書き手:岡優成 牛は

農業生産ノウハウをDX化することで、新規就農者を増やす!勘と経験に頼らない農業への挑戦【PLANT DATA株式会社】

植物生育診断技術により、持続可能な農業を確立することを目的とした実装実験に挑戦していたPLANT DATA株式会社。経験や勘に頼りすぎず、農業のノウハウをDX化することで、品目転換や新規就農者が挑戦しやすく、さらに若者が魅力を感じる農業を目指している。実装開始から約1年、データ化した植物生育診断を元に取り組んだ農業の実装結果について報告する。 「光合成蒸散リアルタイム計測チャンバ」と「画像計測ロボット」を使って新規就農者を支援する 今回の実装フィールドは、西予市野村町。「

生まれ育った島の集落へUターン みかん農家へ転身したバンドマン

大学進学を機に、生まれ育った小豆島、中でも棚田や農村歌舞伎、虫送りの文化など、美しい日本の原風景が残る肥土山を離れ、ひとり大阪へ。 10年ほどの音楽活動の後、バンド解散を経て大阪から小豆島へUターン。 コロナ禍の真っ只中に8年間勤めた地元の飲食店を退職し、みかん農家への転身を決めた。 それが、この記事の主役、文次郎農園の太田翔さんだ。 今回は、大阪から小豆島へUターンを決めた理由、都会と島での暮らしの変化、みかん農家への転身を決めたきっかけ、そして、もうすぐ限界集落となる

【こだわり農家見聞録~其の弐~】徳永農園(新潟県柏崎市)

皆さんこんにちは、 アサヒパック広報の小林です! こちらは、日ごろ弊社製品をご愛顧いただく農家様の”想い”や”こだわり”を取材し、まとめた記事です。題して「こだわり農家見聞録」。 今回はその第二弾。お話を伺ったのはこちらのお客様です。 取材に快く応じてくださり、ありがとうございます! 「職業」として選べる農家を目指して 後継者がいない…。全国の中小企業のほとんどが直面している問題だ。 経済産業省と帝国データバンクによると、日本の全事業者で「中小企業」に該当するのは全

【こだわり農家見聞録~其の壱~】桃川農園(新潟県村上市)

皆さんこんにちは、 アサヒパック広報の小林です! こちらは、日ごろ弊社製品をご愛顧いただく農家様の”想い”や”こだわり”を取材し、まとめた記事です。題して「こだわり農家見聞録」。 その第一弾としてお話を伺ったのはこちらのお客様。 取材に快く応じてくださり、ありがとうございます! 愛する地元で、自由な農業を 7年前、家族の大反対を押し切って勤めていた会社を辞め、農業の世界へ飛び込んだ桃川農園代表の佐藤譲さん。 初期投資のため貯金を切り崩し、収入は一時、三分の一にまで落