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食から日本を考えてみた。

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#熊本

一粒のコーヒー豆で地域と世界をつなぐ「阿蘇珈琲プロジェクト」。南阿蘇の大自然で育った国産コーヒーが生みだした大きな絆とは

ここは、阿蘇五岳と外輪山に囲まれた熊本県の南阿蘇村。 世界最大級と言われる阿蘇カルデラの南部に位置するこの村には、白川水源や南阿蘇鉄道といった豊かな自然を活かした観光スポットが点在しており、毎年この地を訪れる人々を魅了し続けてきました。 そして、そんな南阿蘇の豊富な自然や人々の魅力に惚れ込んで移住し、この土地を盛り上げるために人生を掛けて取り組んできた人物が物語の主人公です。 後藤コーヒーファーム代表・後藤  至成さん 国内で流通するコーヒー豆の約99%が海外産という

農場のとれたて野菜で米焼酎を楽しむ!地元の農業と福祉をつなぐモエ・アグリファームが有機野菜で目指す新しい社会のかたち

それは、熊本のある旅行会社様と情報交換していた時のこと。 人吉球磨の観光事情についてお伺いしていると、担当者の方が「あ、そういえば…」と何か思い出したようにこう囁いたのです。 私たちの地元・人吉でいま人気沸騰中の観光スポットって…。 あっ! もしかして全国的にも有名な「球磨川くだり」ですか? それとも… 700年以上の歴史を誇る「相楽三十三観音めぐり」とか? 旅行会社様/確かにどちらも人吉を代表する人気スポットですよね。 ただ最近はモエ・アグリファームという農

標高630mの茶畑で生みだされる天空の和紅茶。水俣の山々から吹く風が育てた無農薬のこだわり茶葉で究極の紅茶割を淹れてみた

インドのダージリン、スリランカのウバ、中国のキーマン(祁門)。 これら世界三大紅茶の産地では、昔から地域の風土を存分に活かすことで唯一無二の香りや味わいの茶葉を生み出してきました。 そして今、ここ日本にも生まれ育った土地の魅力を自らの和紅茶ブランドに込めて、世界へ発信しようと挑み続ける人物がいます。 熊本県の最南端・水俣市でこだわりの紅茶を作ってきた、天の製茶園。 標高630mの茶畑で無農薬・無化学肥料によって育てられたメインブランド「天の紅茶」は独特の深い味わいと爽

平均年齢70代が起こすイノベーション!?人口170名の「限界集落」が消滅の運命に立ち向かうため、いま未来に希望の種を蒔き始めた

近年、日本社会が直面している少子高齢化という現実。 その中でも、人口の過半数が65歳以上の高齢者で構成され、共同社会生活の維持が難しい状態に置かれている地域を「限界集落」といいます。 離農による田畑の荒廃や生活インフラの破綻が進む限界集落の数は全国で2万以上と言われ、将来的に消滅が危ぶまれる集落も少なくありません。 しかし、そうした向かい風に対して高齢化した住民たちが自ら立ち上がり、地域に活力を呼び起こそうとする熱い動きがここ熊本にはあります。 熊本県八代市坂本町 

地域で700年受け継がれてきた「食のバトン」を次世代につなぐ本田 節の挑戦。温かい食卓から浮かび上がる豊かな未来のあり方とは

生成AI、DX(デジタルトランスフォーメーション)、メタバース いま世界中でこうした先端技術が爆発的な進化を遂げ、生産性の向上や社会課題の解決という側面から変革を起こし始めています。 そんな中、変化や効率を重んじる現代の潮流とは対照的なアプローチで豊かな未来の実現を見据えてきた女性が今回の主人公です。 その人物こそ、私たちの故郷・人吉球磨が誇る食の伝道師 本田  節さん。 「命の食事プログラム」という郷土料理の伝承や研修の開催、地域づくり拠点の創出、農泊を通じたグリー

地域の森林を甦らせる「多良木メンマ」プロジェクト。放置竹林を活用した国産メンマが生み出す、食と森の“やさしい循環”のかたちとは

こちらは国語の教科書でもおなじみ「竹取物語」の冒頭部分ですが、この日本最古の物語が書かれて1000年以上が経った令和の時代にも、悠然と野山へ分け入って竹を取り続ける人物がいます。 悠久農園  代表  矢山 隆広(ややま  たかひろ)さん。 2017年に移住した熊本県球磨郡多良木町で、日本中で深刻な社会問題と化している「放置竹林」の課題に取り組む社会起業家です。 そんな矢山さんが2023年に製造を始めたのが、多良木町の竹林から採取した竹を原料にした純国産の「多良木(たらぎ