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食から日本を考えてみた。

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記事一覧

平均年齢70代が起こすイノベーション!?人口170名の「限界集落」が消滅の運命に立ち向かうため、いま未来に希望の種を蒔き始めた

近年、日本社会が直面している少子高齢化という現実。 その中でも、人口の過半数が65歳以上の高齢者で構成され、共同社会生活の維持が難しい状態に置かれている地域を「限界集落」といいます。 離農による田畑の荒廃や生活インフラの破綻が進む限界集落の数は全国で2万以上と言われ、将来的に消滅が危ぶまれる集落も少なくありません。 しかし、そうした向かい風に対して高齢化した住民たちが自ら立ち上がり、地域に活力を呼び起こそうとする熱い動きがここ熊本にはあります。 熊本県八代市坂本町

地域で700年受け継がれてきた「食のバトン」を次世代につなぐ本田 節の挑戦。温かい食卓から浮かび上がる豊かな未来のあり方とは

生成AI、DX(デジタルトランスフォーメーション)、メタバース いま世界中でこうした先端技術が爆発的な進化を遂げ、生産性の向上や社会課題の解決という側面から変革を起こし始めています。 そんな中、変化や効率を重んじる現代の潮流とは対照的なアプローチで豊かな未来の実現を見据えてきた女性が今回の主人公です。 その人物こそ、私たちの故郷・人吉球磨が誇る食の伝道師 本田 節さん。 「命の食事プログラム」という郷土料理の伝承や研修の開催、地域づくり拠点の創出、農泊を通じたグリー

地域の森林を甦らせる「多良木メンマ」プロジェクト。放置竹林を活用した国産メンマが生み出す、食と森の“やさしい循環”のかたちとは

こちらは国語の教科書でもおなじみ「竹取物語」の冒頭部分ですが、この日本最古の物語が書かれて1000年以上が経った令和の時代にも、悠然と野山へ分け入って竹を取り続ける人物がいます。 悠久農園 代表 矢山 隆広(ややま たかひろ)さん。 2017年に移住した熊本県球磨郡多良木町で、日本中で深刻な社会問題と化している「放置竹林」の課題に取り組む社会起業家です。 そんな矢山さんが2023年に製造を始めたのが、多良木町の竹林から採取した竹を原料にした純国産の「多良木(たらぎ

ジビエに学ぶ「地域の力」。40年以上狩猟肉で地元を盛り上げる村上精肉店が頑なに守ってきた町の食文化といま踏み出した未来への一歩とは

野山を自由に駆けまわる、イノシシやシカなどの野生動物たち。 近年こうした野生鳥獣が田畑や民家を荒らす獣害が深刻化しており、全国の自治体がその対応と真剣に向き合い始めています。 そして今、その解決策として大きく期待されているのがジビエ料理です。 ヨーロッパでは貴族の伝統料理として親しまれてきたジビエ(狩猟肉)。 実は私たちが蒸留所を構える多良木町にも昔から獣肉を食する文化があり、“骨かじり”などの郷土料理を通じて山の恵みを享受してきました。 獣とのギリギリの駆け引きに

今年もやります!干支カレー〈竜の巻〉

今年もいよいよあと一か月になりましたね。 野球やバスケットボールなどスポーツ界では明るい話題も多く,盛り上がりましたよね。 来年はその勢いよろしくさらに天を目指す「昇り竜」にあやかりたい ところです。 今年の干支は「うさぎ」でした。ハウス食品では、うさぎ年にちなんだ干支カレーのレシピを公開しましたが、「かわいい」「面白い」などたくさんの反響を頂きました。 でも来年はどうするんだろう、なにしろ竜ですよ。って思っていたら、レシピ制作担当者、今年も期待に応えてくれました。 レ

ポリ袋でご飯を炊いて作るカレー!?

関東大震災から100年。地震や防災に関する話題が多い昨今。 9月は防災月間でしたね。災害時に役立つ情報も数多く、知っておけばいざというときに役立つことは間違いなし。 でも、読んで解った気になっていてはいかん! と思ったので、ハウス食品から提供されている「ポリ袋でご飯を炊いて作るカレー」というのを実際にやってみました。(下記参照) 身内を疑うわけではないけれど。ほんとにご飯は炊けるのか? とういう訳で妻はママ友とランチ会、娘は部活で一人きりのとある土曜日、地震が起きて水道、ガ

儲かる農業を実現!会社設立3年で売上1億2千万円を達成した若手農家

今回取材をさせていただいたのは、徳島県阿波市を拠点に青ネギを栽培している「アイ・エス・フーズ徳島」の代表取締役 酒井貴弘さん。アイ・エス・フーズ徳島で働く方の平均年齢はなんと35歳。近年日本農業界では、高齢化が進んでいますが、ここでは酒井さんをはじめ従業員の方に活気があり、今勢いのある会社です。今回は若くして会社を設立し、わずか3年で売上目標を達成した秘訣、また今後のビジョン等についてお話をお聞きしました。 農業はなりたくない職業No.1 「小さい頃から『農業は儲からない

1300年前から続くお米を日本で唯一栽培する農家の想い

皆さんは「弥生紫」という品種を知っていますか?実はこれ1300年前からあるお米の品種名なんです。そんな古くから続く伝統的なお米は、現在日本で唯一、徳島県の農家さんのみが栽培しています。 今回は弥生紫を栽培する農家・新居 義治さんに伝統米の魅力などを伺ってきました。 1300年前から変わらない味 新居さんが先祖代々栽培し続けているのは、弥生紫という品種。奈良県平城京の献上黒米として約1300年の歴史と伝統を受け継ぐお米で、もちもちと柔らかく食べやすいのが特徴の黒米です。

就農準備のために全国80軒以上の農家訪問を実践!実現できた理想の農業とは?

今回取材をしたのは、広島県東広島市の標高約250mに位置する中山間地で農業を営む森昭暢さん。約40品目の露地野菜や稲を自然農法で栽培しています。 森さんが就農した当時、広島県では有機農業の経営指標や技術指針が無かったそう。そのため、全国80軒以上の農家さんや農業法人などを訪問し、そこで実践されている農業を参考にしながら、試行錯誤を重ねて有機農業の仕組みを作りあげてきました。 そんな森さんに就農前の準備期間のお話や、土づくりの話などを伺ってきました。 将来の農や食を考えた

今年の夏もカレーでニッポンフードシフト!

ハウス食品は毎年夏に、各地域の食材を使ったカレーメニューを提案するプロモーションを実施しています。 今年は農林水産省が呼びかける「食から日本を考える。ニッポンフードシフト」の考え方に賛同し、日本の食文化の一つとなった「カレー」には「食」を考えるヒントがたくさんあるとして、 「世の中が大きな変化に直面している今、これからの「食」はどうあるべきか。夏の風物詩とも言える身近な「カレー」を通じて、「食」について考えるきっかけにしてみませんか?」 と問いかけています。 今年も全国

"未利用フルーツ"を使用した、山梨市との連携によるフードロス削減への取り組み

農家の「フードロス」という課題に対する新しい提案「山梨市フルーティピッツァプロジェクト」発足の経緯 果物や野菜を作るのに適した「内陸性気候」でぶどう、もも、すももの生産量が日本一の山梨。落葉果樹の栽培に適した自然条件を最大限に生かして作られた果物は、全国から高い評価を受けています。 その一方で、市内における農業従事者の高齢化は進み「農作業の負担」「労働力不足」など、様々な課題を抱えています。 主に課題として挙げられるのが「フードロス」。 農業は天候に大きく左右される自然

田舎も農業も嫌いだった男性がきゅうり農家になった理由とは?

皆さんは農業というと、どんなイメージを持っていますか? 「田舎、大変、儲からない」などのネガティブなイメージを持つ人もいれば、「かっこいい、なくてはならない存在」などポジティブなイメージを持つ人もいますよね。 今回取材したのは三重県で農業を営むしなやんさん。”しなやん”さんは本名ではなく、活動名。そんなしなやんさんは実家が兼業農家で、小さい頃から田舎や農業が嫌いだったそう。 しかし、現在は農業に対する価値観が180度変わり、地元できゅうり農家として働いています。一体なぜ、

メインは飾れないけど、欠かせない野菜、きゅうりの話

前半はもともと農業が大嫌いだったしなやんさんが、ある出来事をきっかけに、農業に対する価値観が180度変わり農業を始めたお話をご紹介しました。 後半ではしなやんさんが栽培している”きゅうり”についてご紹介します。実は農家さんの間では、きゅうり栽培は大変といわれているんです。そんな中、なぜ新規就農できゅうりを選んだのか。きゅうりに対するこだわりを聞いてきました。 あえて、栽培が大変と言われる「きゅうり」を選んだワケ 食卓で主役になることはないけれど、スーパーで見かけたらつい

世代分析

Z世代という言葉が世にあふれています。 このZ世代という言葉は、もともとはアメリカで使われている世代分析の用語で「1997-2012年に生まれた若い世代を指し、 2022年時点で10代から20代の若者」がZ世代とのことです。 日本では、20代の人口は1995-2018年の間に30%以上減少していますが、世界的には増加しており、マーケティングの対象としては注目される世代。また生まれながらのデジタルネイティブ世代といわれ、当たり前のようにスマートフォンを扱い、情報収集と発信力は侮