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もっちり食パンのパイオニアが目指す国産原料のパン!こだわりぬいた食材で日本の農業を応援! [Vol.2]

1922年、愛知県で和洋菓子製造販売店として、創業したフジパン様。その後「品質のよいおいしい商品を一生懸命作り、真心を込めてお客様にお届けする」という創業当時からの使命のもと、「食」を通じてたくさんの人々においしいパンと笑顔を届けつづけています。「日本の農業を応援したい」との思いから、2022年9月には北海道産小麦や国産原料にこだわった新商品『北海道小麦』を発売。国産原料の消費推進を目指す取組に尽力しています。

今回は、ニッポンフードシフト推進パートナーの国産食材を使用した商品のさらなる拡大に向けた取組について、紹介します。


携帯サンドイッチの元祖

国産食材の魅力を伝える商品の開発に取組んでこられたフジパン様。今回は、国産食材にこだわった『スナックサンド』の開発に至った経緯について、商品開発担当の大塚様、ブランド担当の山中様、小玉様、パッケージ担当の成田様にお聞きしました。

フジパン株式会社
マーケティング部 スナックサンドブランド担当
小玉 絢美氏

【小玉氏 インタビュー内容】
『スナックサンド』は、1975年に「袋に入っていて、手軽に持ち歩ける菓子パンのような感覚で楽しめるサンドイッチを作りたい」との思いから誕生したフジパンの誇る携帯サンドイッチです。中部、関西で販売を開始し、その後関東、そして全国へと販売を拡大していきました。
当時、サンドイッチは冷蔵の必要があり、持ち歩きは難しいというのが弱点でした。そこで、当社は食パンの耳を切り落として2枚のパンを圧着させ、中に具材を密封するという技術を開発しました。これにより、常温で長期間、品質を保つことができるようになりました。そして、具材が外にこぼれ落ちない『スナックサンド』特有の形となり、持ち歩きやすいサンドイッチの誕生へとつながりました。約50年前の話ではありますが、当時としては大変画期的な技術でした。従来のサンドイッチの概念を覆す新たなサンドイッチとしてすぐに注目の的となり、工場の生産が追いつかないほどの人気商品になりました。携帯サンドイッチ市場の拡大するにつれて、多くのお客様に『スナックサンド』を認知していただけるようになっています。若い方々にも手軽に『スナックサンド』を楽しんでいただき、フジパンの『スナックサンド』のファンになっていただきたい。そんな想いで市場の動向やお客様のお声を分析しながらチームで日々開発を続けています。

1975年に発売された初代『スナックサンド』

国産食材にこだわった新たな商品の発売

全国の生活者の方に日本の食材をより理解していただきたいという想いから生まれた新シリーズ『北海道小麦スナックサンド』。商品の開発から発売までの経緯について、お聞きしました。

1.北海道小麦の食パンが『スナックサンド』に!

【大塚氏 インタビュー内容】
2024年3月より、当社の代表的な商品である『スナックサンド』に、北海道小麦の食パンを使用した新シリーズを展開しています。

『北海道小麦』とは?

『北海道小麦』は、焼かずに、そのまま食べていただくことで、ソフトな食感と、きめ細やかさを感じていただける食パンです。今回、『スナックサンド』に使用する食パンを『北海道小麦』にすることとあわせて、具材についても「スナックサンド」の世界観に合う国産の食材を使用することにしました。

これまで当社では国産に限定することなく、様々な具材の『スナックサンド』を展開してきました。国産に特化した『スナックサンド』に挑戦しようと決めた要因のひとつに、新型コロナウイルス感染症の影響がありました。コロナ禍において、生活者の健康意識が高まり、品質の高い国産の食材に改めて注目が集まったことは、国産食材にこだわった『スナックサンド』の開発を後押ししました。
多くの人に親しまれ続けてきた『スナックサンド』だからこそ、国産をテーマにしたシリーズを新たに展開することは、より多くの生活者の方に国産の食材、日本各地の特産品、郷土食などについて知ってもらうことにつながるのではないかと考えています。

商品開発の様子

47都道府県すべて網羅したい気持ちはありますが、全国に安定供給できる食材であることが重要となります。今はどこにどんな特産品があるかを探し、国産食材を具材としてどうやって活かすか、そして生活者の方に手に取ってもらえるかを検討しながら、新商品の開発を続けています。

最近では、ちょっと変わった珍しいものよりも食材の味を生かした、安定した味わいが好まれる傾向にあります。そこで、『北海道小麦スナックサンド』の具材は、食材の持つ本来の美味しさ、風味を生かすことを大前提とし、パッケージを見て味わいが想像できるような食材を検討しています。食材選定や具材の作り方には、とにかく時間をかけて、丁寧に向き合っています。具材のこだわりとしては、「この食材は、こういう味がスタンダード」という定番がある場合、それを踏襲するようにしています。地元で実際に食べられているメジャーな味わいこそが、今回の商品には最も適していると考えています。奇をてらわず、それぞれの地域で親しみ続けられてきた定番の味を世の中に伝えたい。敢えて、スタンダードにいく感じです!

フジパン株式会社
スナックサンド開発担当
大塚 剛史氏

2.新シリーズの発売!

【小玉氏 インタビュー内容】
国産食材にこだわった『スナックサンド』の新シリーズとして、3月1日に2品の販売を開始しました。
1品目の『北海道小麦スナックサンド たまご』は、敢えてごろっとしたたまごとだし汁がしっかりと効いたマヨネーズソースを合わせた具材を使用し、レギュラー商品より、食パンの食感に合うシズル感を意識した商品となっています。
2品目の『北海道小麦スナックサンド こく旨ツナ&マヨ』の具材にはかつおだしと昆布だしの2種類を使い、オニオンを加え入れました。味付けには、芳醇な香りが特徴の再仕込醤油を使用しています。食卓などで広く使用されている濃口醤油ではなく、再仕込醤油を使っている点は、こだわりのポイントです。濃口醤油は大豆と小麦を麹にし、そこに塩水を加える製法ですが、再仕込醤油は塩水の代わりに一度仕上がった生醤油を加えて再度醸造することで、より濃厚で、うま味の強い醤油となるのです。濃口醤油を作るには半年から1年かかりますが、再仕込醤油は仕込み直しをしてさらに1年ほどの時間をかけることになります。2~3年ほどかけて作るわけですから、やはりうま味は格別です。

国産食材にこだわった新シリーズ『北海道小麦 スナックサンド』

『スナックサンド』をよく購入してくださっている方にとって、たまごとツナマヨは定番中の定番です。「なぜ今、新シリーズに?」と不思議に思われるかと思います。当社として新シリーズのデビュー戦としてたまごとツナを選んだのは、実はちょっとしたこだわりがあります。新商品でありながらも、人気の定番具材である『タマゴ』や『ツナ&マヨ』に北海道小麦というプラスアルファの付加価値をつけて、世の中に送り出したい!との思いがあります。今後は、先ほどの通り各地の特産品や名産品を具材とした新しい『スナックサンド』を展開する予定です。ただ、最初だけは敢えて定番商品で特別感のあるものを発売したい。ここだけは、かなりこだわりました。まずは定番中の定番であるたまごやツナマヨをプレミアムなものとして発売することで、生活者の目を引きたい、知っていただきたい。そして、この2商品をきっかけとして、今後展開予定の特産品シリーズにつなげていきたいと考えています。入り口は馴染みのある具材とすることで、次は何かな?と興味・関心を持っていただけるような空気感を作りたいんです。普段食べているたまごとツナマヨに、北海道小麦を使った特別なシリーズがあったら、「いつもと違うものもあるんだ!」と注目していただけるのではないかと期待しています。その後、特産品や名産品という今までとは少し違った切り口で、『スナックサンド』を通して新たな味を発見する体験価値を訴求していきたいと思っています。

あわせて、今回の新シリーズでは生活者の方に『北海道小麦』という商品を知っていただく出会いの場にもなってほしい、との想いもあります。「具材がいつもと違うから買ってみよう」ということに加え、「食パンが違うなら買ってみよう」と興味を持っていただけたら、嬉しいです。

北海道産小麦を使用した食パン『北海道小麦』

【成田氏 インタビュー内容】
当初、『スナックサンド』に『北海道小麦』を使用することについて社内からは驚かれたというのが率直なところです。これまでも黒糖パンや全粒粉、ライ麦パンといったパン生地に味わいが強い傾向にあるものを使用したことはありましたが、『北海道小麦』のように味わいや風味というよりも、小麦本来の味を活かしたパンという点では新たなチャレンジです。

従来のアプローチ方法とは違う、北海道小麦を使用したからこその良さを生活者によりインパクトとして与えることができないか、検討を重ねてきました。これまでとはまったく違うコンセプトの『スナックサンド』なので、不安も期待も大きいというのが現状です。どのように販売していくのがいいのか、社内で知恵を出しあい、ゼロから新シリーズの『スナックサンド』の売り方を確立していきたいです。

今回、新シリーズを展開するにあたり、パッケージにもこだわりました。『北海道小麦スナックサンド』のパッケージデザインでは、生地のやわらかさを伝えるために、透明なところと半透明なところを作り「パン生地が柔らかそう」とイメージしてもらいやすいような、優しいイメージを意識しています。パッケージの上下に麦の穂をイラストで配置し、国産食材にこだわった商品であることが伝わるよう工夫しています。また、中央に大きく配置した「北海道小麦」の文字も、ポイントです!
そこに、ニッポンフードシフトのロゴマークを、生活者の方によりわかりやすく伝えるため、視覚的に最も目に留まりやすい傾向にある右上に配置しました。ニッポンフードシフトのロゴマークを『北海道小麦スナックサンド』の目立つ位置に入れることは、フジパンにとっても「フジパンはニッポンフードシフトに参加してるんだ」とわかりやすく伝えることになります。生活者の方にも、わかりやすく私たちの取組を伝えることができますし、当社の商品として「国産食材を使っていますよ」という統一的なマークになっていったらいいな、と思っています。

フジパン株式会社
マーケティング部 パッケージデザイン・WEB担当
成田 尚子氏

『北海道小麦スナックサンド』の認知度向上に向けて

今後の『北海道小麦』の認知度向上に向けた展望についてお聞きしました。

フジパンを代表する商品

【山中氏 インタビュー内容】
『北海道小麦スナックサンド』は3月1日に、先ほどもお話したとおりたまごとツナマヨを発売しました。まずはプレミアムなたまごとツナマヨの具材を北海道小麦食パンで体験していただき、その価値を知っていただくことを目指し、今後も北海道小麦の価値が訴求できるような商品開発を続けていきたいです。日本の食材に対する市場動向やお客様の声に耳を傾けながら、より多くの人に『北海道小麦スナックサンド』を手に取っていただける商品にしていきたいですね。
ちなみに、前回の記事でご紹介した『北海道小麦』も、原材料を一部変更して3月にリニューアルしました。もともと山型食パンとして発売しましたが、角食パンに変更することで、焼かずに食べていただいた時に耳まで柔らかく、しっとりとしているという新しい体験を生活者の方に提供できると考えています。パッケージもリニューアルし、北海道をイメージしやすいように、きたほなみの麦の穂のイラストや、北海道の大地をイメージしたグリーンのアクセントカラーを使ったパッケージデザインに刷新し、『北海道小麦スナックサンド』と合わせて生活者の方に印象付けられたらと思っています。

フジパン株式会社
マーケティング部 北海道小麦ブランド担当
山中 優奈氏

北海道小麦をインターネットで検索すると、関連づけられるワードとして「赤ちゃん」「離乳食」「添加物」と表示されます。子育て世代のママたちが、普段気を遣っているポイントであることがわかります。国産原料にこだわったパンは、生活者がまさに求めているものだと感じています。 SNSでの情報発信やキャンペーンを行っていますが、当社の商品コンセプトが認知されることで、より多くのお客様から注目される商品になれるのではないかと期待しています。耳まで柔らかく、小さなお子様でも食べやすいので、お子様に安心して与られる、美味しい食パンとして選ばれるよう、今後も改良を重ねていきたいです。さらに、『北海道小麦』は、日本マタニティ協会にマタニティフードとして認定されました。マタニティ期のママにおすすめできるメニューも合わせてSNS等でご提案していきます。

フジパンが提案する離乳食


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