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もっちり食パンのパイオニアが目指す国産原料のパン!こだわりぬいた食材で日本の農業を応援![vol.3]

1922年、愛知県で和洋菓子製造販売店として、創業したフジパン様。その後「品質のよいおいしい商品を一生懸命作り、真心を込めてお客様にお届けする」という創業当時からの使命のもと、「食」を通じてたくさんの人々においしいパンと笑顔を届けつづけています。「日本の農業を応援したい」との思いから、2022年9月には北海道産小麦や国産原料にこだわった新商品『北海道小麦』を発売。国産原料の消費推進を目指す取組に尽力しています。

今回は、ニッポンフードシフト推進パートナーの持続可能な食の未来の実現に向けた活動の報告と意見交換が農林水産省にて行われましたので、その内容を紹介します。


100年先も「HAPPY BREAD TIME」を届けたい

国産農産物の消費促進に向けた取組を実施されているフジパン様。その中で、ニッポンフードシフトのロゴマークを、国産原料を使った商品の統一的なマークとして利用するなど、積極的にニッポンフードシフトを活用いただいています。
これらの活動を紹介するために、フジパン株式会社 専務取締役 安田 憲正氏が農林水産省を訪れ、大臣官房食料安全保障室でニッポンフードシフトに関する取組実績のご報告をいただき、その後、食料安全保障室 宮長 郁夫室長との意見交換が行われました。

フジパン株式会社 安田 憲正 専務取締役(左)と
農林水産省 宮長 郁夫 食料安全保障室長(右)

【活動報告】
安田専務:当社では生活者の皆さまにパンのある幸せを届けることを「HAPPY BREAD TIME」と表現し、100年後の未来に向けて様々な取組を展開しています。その一つが、昭和58年から協賛している、12歳以下のサッカーの全国大会「フジパンCUP」です。サッカーを観ることの楽しさや、夢を目指す選手たちの応援をしています。
他にも、次世代に向けた活動として、お子さまやご家族みんなで楽しめるアンパンマンシリーズの商品展開や、貴重な文化財産である日本昔話を絶やすことなく後世に伝えていくテレフォンサービス「民話の部屋~とんとむかし あったとさ~」(現在は、アニメーション「むかしばなしのおへや」)の提供にも取組んでいます。

フジパンCUPの開催イメージ

また、パンを製造・販売する食品会社として、100年先も「HAPPY BREAD TIME」を届けるために、商品で使用する原材料からも持続可能な社会の実現に向けた取組を開始しています。2022年には、北海道産小麦を使用した食パン『北海道小麦』を発売し、さらに2024年3月には日本の食をテーマに、より国産食材を身近に感じていただける商品として、『北海道小麦』を使用した新シリーズ『北海道小麦スナックサンド』を発売しました。
一方で、原材料を選んでいく中で、国内自給率や食料安全保障の問題も含めて、当社が目指す持続可能な社会の実現に向けては国産小麦を使用することだけでは解決できないと考えるようになりました。その際に、持続可能なパーム油の生産と利用を促進するRSPO認証された油脂があることを知り、検討を進めています。さらにパン製造には、小麦や油脂だけでなく、塩や砂糖などさまざまな原材料を使用していますので、今後はそれらを一つひとつ見直していきたいと考えています。

原材料以外にも、環境配慮をコンセプトとした活動にも積極的に取組んでいます。2023年7月には、フジパンの主要商品である食パン『本仕込』シリーズのパッケージを環境に配慮したものに変えました。また、『北海道小麦』や『本仕込』シリーズでは、植物由来原料を10%配合した「留め具やインキ」を採用することで、温室効果ガス削減にも取組んでいます。これらの環境に配慮した商品を購入した方には、エコな活動につながるキャンペーンにもご参加いただくなど、おいしくて 楽しい「HAPPY BREAD TIME」を広げていきたいです。未来を担う子どもたちが健やかに成長できる環境づくりを目指し、今後も環境に配慮したエコパッケージの取組などを推進していく予定です。

バイオマスマーク(左)と植物由来原料を使用した留め具のイメージ(右)

日本の食と農を未来につなげるために

説明の中では、フジパン様から国産農産物の消費促進に向けた課題や、今後に向けた提言に関する話もありました。

【活動報告】
安田専務:『北海道小麦』や『北海道小麦スナックサンド』など、国産小麦を使用した商品を発売していますが、現状、当社で使用している小麦のうち、国産小麦は0.5%程度です。今後、国産小麦の割合を増やしていくためには、やはり圧倒的なボリュームを占める主要商品に使用していくことが重要だと考えています。これは、国産農産物の消費促進を進めていくためにも継続的に取組んでいかなければいけないと感じています。

一方で、外国産小麦から国産小麦へのシフトには多くの課題もあります。コスト面も大きな壁ではありますが、それ以上に使用する小麦粉を変更することによる味や食感の違いなどへの影響が最も懸念される点です。やはり、主要商品を支えていただいているロイヤルカスタマーに満足いただける商品を展開していくことが重要だと考えているため、これまでの味や食感などを担保しながら、国産小麦の割合を増やしていくことが課題です。
国産小麦以外にチャレンジしているのが、国産素材を身近に感じていただきたいとの思いから、日本の食をテーマに2024年3月から展開している『北海道小麦スナックサンド』シリーズです。第一弾として、『北海道小麦スナックサンド たまご』と『北海道小麦スナックサンド こく旨ツナ&マヨ』の2種を発売し、4月には『北海道小麦スナックサンド 鹿児島県産黒豚カレー』と『北海道小麦スナックサンド 瀬戸内レモンタルタル』、そして5月には『北海道小麦スナックサンド 濃厚焼きそば』と『北海道スナックサンド 特上粒あん&マーガリン』を発売しました。

北海道小麦スナックサンド
(左から:4月に発売した『北海道小麦スナックサンド 鹿児島県産黒豚カレー』、 『北海道小麦スナックサンド 瀬戸内レモンタルタル』、5月に発売した『北海道小麦スナックサンド 濃厚焼きそば』、『北海道スナックサンド 特上粒あん&マーガリン』)

全ての原材料を国産にすることが正解かどうかはわかりませんが、持続可能な社会実現に向け、正しいと思える原材料を選んでいきたいと考えています。例えば、海外で行われている地球環境に配慮した栽培方法を国内で紹介していただくなど、官民一体で取組む必要があると考えています。日本の食と農を100年先の未来に残していくためにも、当社だけでなく、農林水産省や生産者の皆さんと協力しながら取組んでいきたいです。

次の100年に向けたフジパンのチャレンジ

さらに今後に向けた取組として、フジパン様が検討されている新たな企画についての話もありました。

【活動報告】
安田専務:当社では、地元農産物の魅力をパンから発信することをテーマに、「フジパン下妻工場」を2023年に茨城県下妻市に竣工しました。この工場は、環境に配慮した設備を導入しているだけでなく、フジパンの主要ブランド製品の生産に加え、茨城県で収穫された食材や米粉を使用したパンを下妻工場オリジナル商品として製造しています。今後は、米粉の製造で協力いただいている製粉会社や、JA茨城とも連携し、地元の農産物をさらにアピールしていきたいと考えています。例えば、商品を購入した方の中から抽選で、田植え体験を開催する等、実現できたらいいなと考えています。

今後も持続可能な社会を実現していくために、2024年においてもキャンペーンやプロモーションなど様々な展開を予定しているので、フジパンの次の100年に向けた取組にぜひ注目していただけると嬉しく思います。

日本の食と農の現状を知ってもらうきっかけを作りたい

これまでのフジパン様の活動内容をうけ、宮長室長との意見交換が行われました。

【意見交換】
宮長室長:全国で展開している商品において、国産の原材料を使用するのは課題もある中、積極的に国産品の消費拡大、さらにはニッポンフードのロゴマークを活用いただき非常に感謝しています。ニッポンフードシフトでは、日本の食と農における現状や、課題を発信し、少しでもそういった現状を知ってもらうきっかけづくりが大切だと考えています。一方で、同時にたくさんの方に届けていくことの難しさも感じています。

ニッポンフードシフトのロゴマークが入った北海道小麦の商品

安田専務:国産の原材料を使用することで生活者が安心感を得られ、さらに国内のおいしい食材を届けることで日本の農業を応援したいという想いから、国産農産物の消費拡大に向けた取組を開始しています。社会課題に関心を持っている生活者の方も多くいますが、日本の食と農における現状や課題について、まだまだ日本には「自分には直接的な影響がないから関係ない」と考える方が多数派だと感じています。そういった生活者にも国産農産物について興味を持っていただけるように展開を工夫し、より多くの方においしさを伝えてくことが大事だと考えています。

宮長室長:生活者と商品を通して接点を持っているフジパン様に、ニッポンフードのロゴマークを活用いただけることは非常に心強いです。これからもニッポンフードシフトの推進パートナーとしてお力添えのほど、 よろしくお願いいたします。


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